
雪が降ったり止んだり寒い日が続いていた…そんなある日、お客様からシフトがDレンジに入ったまま動かない…とレッカー要請があり、レッカーに伺いました。
お車は英国の高級SUV、ランドローバーイヴォーグです。
このお車のシフトノブは少し特殊で、エンジン始動と同時に「スー」っとボタンがせり上がり、そのボタンを回転させる事でシフトポジションの切替を行います。ランドローバー以外ではジャガーにも採用されている近未来的なシフト方式で、Pに入れると自動でサイドブレーキもかけてくれる優れものです。
しかし、レッカーに伺ったお車はエンジンはかかるものの、シフトはDを指し点滅状態でビクとも動きません…。
更に厄介な事に、Dレンジの筈が前進もできません。
Nに入れる事もPに入れる事も出来ず、あの手この手で積載車に積み込み、何とか工場まで運搬しました。
突然この状態になったと思うと、オーナー様はかなり驚かれたのではないでしょうか…。
入庫後は専用テスターを用いて診断を行いその結果から故障している可能性の高いユニットを絞り込み交換、若しくは修理を行って行きます。
今回は診断結果から、ロータリーシフター本体の故障の可能性が高いと判断し、ユニットの交換を進めようとしましたが、なんとこのロータリーシフターユニットは国内に在庫が無く、本国でも欠品となっており納期未定との事…。
しかも部品代だけで20万円以上と中々高価な部品です….。
このままでは、いつ届くのか解らない高価な部品を待ち続ける事になってしまい、当然その間オーナー様は愛車に乗る事が出来ず代車生活を強いられてしまいます…。
そこで、今回はオーナー様の元へなるべく早く愛車をお返しする為に、既設ユニットの修理を行う方向で検討を進めさせて頂きました。
修理の為に既存のロータリーシフトユニットを車両から丁寧に取り外し、分解していきます。
分解してみると簡単に見えて高度な技術が詰まった部品で、細心の注意を払い、構成部品毎に様々なテスターを用いて故障要因の絞り込みを行っていきます。
そして、何とか故障個所の特定に成功し、故障要因を除去する事で、無事に既存のロータリーシフトユニットがまた使用出来るようになりました!
その後は、車両本体にロータリーシフトユニットを復旧し、シフトチェンジが問題無く出来る事を確認して作業完了です。
同様のトラブルでお困りのオーナー様、お気軽お問い合わせく下さい。
(初めてのお客様でもレッカー大歓迎です。 レンタカーも御座いますので是非ご相談下さい!)
ただ、シフトユニットを細かく検証する中で判明しましたが、同じ症状が出る故障でもユニット交換しか修理できないパターンもある事も判明しました。
全ての状況で既設部品の修理で復旧する訳では無い点のみご了承下さい。
最後までお読み頂きありがとうございました。